【初心者向け】遅いと邪魔?サーキット走行での上手な道の譲り方

サーキット走行

サーキット走行で、自分が他の速いクルマの邪魔になってないか心配やわ~

速い人の邪魔したら悪いし、一緒の枠で走るのは遠慮しとこうかな…

大丈夫です!初心者だからといって、遠慮し過ぎる必要はありませんよ!

サーキット走行で、「自分が遅いと他のクルマにとって邪魔なのでは?」と不安になる方も多いと思います。
しかし、全く同じスペックの車両が走るワンメイクレースでもない限り、サーキット走行では様々なスペックの車両や、ドライバーの技量も初心者から上級者まで差があることは当然です。
したがって、初心者だからと言って必要以上に遠慮し過ぎる必要はありませんし、逆に上級者が偉くて優先権のようなものがあるわけでもありません。

とはいえ、いざ速いクルマに追い立てられるようなシチュエーションでは、どう振舞ってよいのかわからなくなりますよね。

この記事では、サーキット走行での上手な道の譲り方について、初級・中級・上級の3つのレベルに分けて解説します。
これを心がけて走れば、自信をもってサーキットを走行することができるようになると思います。

サーキットや走行会によっては、道を譲る場合のお作法がルールで決まっている場合があります。その場合は、そのお作法に従うようにしてください。走行前のブリーフィングなどで説明されることが多いので、しっかり聞いておきましょう。

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【初級】とにかく自分の走行ラインを走る

サーキット走行初心者がまず意識すべきことは、「とにかく自分の走行ラインを走る」ことです。
無理に譲ろうと焦ると、かえって危険な動きをしてしまうことがあるためです。

なぜ自分の走行ラインを守るべきなのか?ですが、

  • 速い車両のドライバーは、前を走るクルマがどのように走行するかを予測して追い抜く準備をする
  • 自分の走行ラインを急に変えると、後続車が予測できず、事故につながる
  • 急に速度を落とすと、これも後続車が予測できず、事故につながる

という理由があります。

そのため、最初のうちは「とにかくラインを守る」ことに集中するのがよいです。
速い車両のドライバーは、どこで抜くべきかを理解しているので、こちらが余計な動きをしなければ、勝手に抜いて行ってくれますので、全然気にしなくてもOKなのです。

【中級】ひたすら右側(もしくは左側)に寄る

サーキット走行に慣れてくると、少し余裕が出てくると思いますので、「後続車が近づいいてきたら、適切な場所で譲る」ことを意識してみましょう。
この段階では、基本的にコースの端に寄ることを意識しましょう。

具体的な譲り方ですが、

  • 後続車に道を譲る場合は、自分が常に右側(もしくは左側)に寄るように統一する
  • 直線では加速を控えめにして、後続車が追い抜きやすい状況を作る

となります。

この場合も、初級と同じですが、急な進路変更や減速はしないようにしてください。

この譲り方は、初心者が多い走行会で採用されるケースが多いように思います。

右に寄るか?左に寄るか?ですが、基本的にはピットロードの入り口がコースのどちら側にあるかで決めるのがよいです。ピットインするときは、必ずピットロードの入り口側にクルマを寄せることになるため、そちらと統一しておく方が分かりやすく、安全なためです。

車を寄せる方向の指示器(ウィンカー)を点滅させておくと、後続車に意思が伝わるのでよりよいです。

【上級】レコードラインを避ける

さらにレベルアップすると、「速い車両が理想的なラインで走行できるように譲る」ことが重要になります。
つまり、レコードラインを避けて譲るということになります。

具体的な譲り方ですが、

  • 直線で追いつかれそうな場合、レコードラインとは逆にクルマを寄せてペースを落とし、コーナーに到達する前にやり過ごす
  • コーナーの直前で追いつかれそうな場合、ブレーキングでコーナーのクリップ方向には向かわず、アウト側に膨らむようにして、やり過ごす
  • コーナリング中に追いつかれそうな場合、コーナーは全力で抜けて、立ち上がりでアウトに膨らまず、イン側の位置を維持する

となります。

初級や中級と比べると、こちらが積極的にクルマの位置取りを動かすことになりますが、後続車が何かしらのモーションを行うタイミングより前に、こちらのモーションを済ませておくことが重要です。
指示器による合図と同時に、こちらの動きを後続車にしっかり見せることで、意思を伝えるようにしましょう。

譲り方の実例

文章だけではなかなかイメージが湧かないと思いますので、実際に筆者がサーキット走行で後続の速いクルマに道を譲っている車載映像をご覧いただきながら、詳しく解説していきたいと思います。

舞台は岡山国際サーキットです。

https://motorsports.jaf.or.jp/course/circuit/okayama

ピットロードからコースインしようとしたところ、早速ホームストレートを速いクルマが通過しているという状況からスタートです。

まずは車載映像をご覧ください。

詳しく解説していきます。

コースイン直後、ルームミラーを確認すると、黄色いマシンがホームストレートを走行しているのが確認できます。
ただ、自車までは少し距離がありそうなのと、コースイン直後は1コーナーに対してイン側に付いているので、ここはさっさと1コーナーは抜けてしまい、2コーナーで譲ろうと判断しました。

1コーナーをインベタで立ち上がった後、2コーナーは一番アウト側を走行し、イン側を空けています。
これで後続車がレコードラインに近い走行ラインで追い抜いて行ってくれました。

速いクルマを2台やり過ごしたのもつかの間、今度はモスエスの先、アトウッドコーナーへのアプローチ中に、速そうなクルマがルームミラーに映りました。

これも自車までは少し距離があるのと、すでにこちらはコーナーへの進入寸前なので、コーナーはできるだけ素早く通過し、その後の長いストレートで抜いてもらおうと判断しました。

ストレートエンドのヘアピンコーナーに対しては、左側がレコードラインとなるため、コーナーの立ち上がりは右ベタをキープします。
これで後続のクルマはストレート全開で抜いて行ってくれました。

後続のクルマをやり過ごした後は、自車もレコードラインに戻りたいところですが、この時、さらに後続のクルマが来ていないかをよく確認しましょう。
車載映像でも、しっかりルームミラーを確認しているのがわかると思います。

後方が完全にクリアなのを確認し、レコードラインに復帰しています。

まとめ

サーキット走行での上手な道の譲り方について、3つのレベルに分けて解説しました。

サーキット走行での上手な道の譲り方
  • 【初級】とにかく自分の走行ラインを走る
  • 【中級】とにかく右側(もしくは左側)に寄る
  • 【上級】レコードラインを避ける

サーキット走行では、「速い=偉い」ではありませんので、遅いクルマが必要以上に遠慮して走る必要はありません。
初心者のうちはとにかく唐突な動きを避けるのが一番安全です。
慣れてきたら、譲る方、譲られる方お互いにとってロスの少ないスムーズな譲り方をマスターしていきましょう。

サーキットは速さを競う場でもありますが、安全に楽しむことが何より大切です。
適切な譲り方をマスターして、ストレスなくサーキット走行を楽しみましょう!

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