【検証】ハイグリップスポーツタイヤの効果をサーキット走行のラップタイムで検証してみた

サーキット走行

ハイグリップスポーツタイヤって、実際どれくらい速く走れるようになるんやろか?

普通の街乗りタイヤに比べると結構高いし、気軽に試せないなぁ…

私が実際にサーキットを走って、検証してみました!

ハイグリップスポーツタイヤを履いたら、サーキットのラップライムはどのくらい短縮できるのか?
サーキット走行を楽しむドライバーとして、タイヤ選びはコストと効果の兼ね合いが知りたいところだと思います。

本記事では、私が純正装着タイヤとハイグリップスポーツタイヤを使って実際にサーキット走行してみて検証を行った結果を公開します。

他のタイヤレビューではなかなか見られない「実際のラップタイム比較」を通じて、ハイグリップスポーツタイヤの本当の効果を検証しています。

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検証に用いるクルマ

検証に使用するクルマは、私の愛車、スイフトスポーツ(ZC33S)です。
車両スペックの概要としては、車高調、LSD、マフラー、ブレーキパッド交換と、ECUチューニングを施しています。

今回はタイヤ性能を比較するため、タイヤ&ホイール以外のパーツやセッティングは、すべて同一条件で走行します。

検証するタイヤの特徴比較

まずは今回比較する2つのタイヤの特徴について、簡単に比較紹介しておきます。

コンチネンタル コンチスポーツ コンタクト5

スイフトスポーツ(ZC33S)の純正装着タイヤとなっている、コンチネンタルのコンチスポーツコンタクト5です。
サイズは前後ともに195/45R17です。

純正タイヤとしての街乗りでの乗り心地や燃費性能、耐久性を重視しているとともに、一応スイフトのスポーツグレードへの装着ということで、ある程度スポーツ走行での性能も持ち合わせていると思われます。

ブリヂストン ポテンザ RE-71RS

サーキット走行やスポーツ走行向けに開発されたブリジストンのハイグリップスポーツタイヤです。
タイヤのブロック剛性が高く、コーナリング時のグリップ力やレスポンスが非常に優れているのが特徴です。
特にSタイヤやスリックタイヤに近いフィーリングを持ちながら、公道も走行可能な点が魅力です。

今回検証に用いるサイズは、私が持ち合わせているホイールサイズの関係で、前後とも215/45R17となります。

タイムアタックでのタイヤ比較

今回走行するサーキットは、セントラルサーキットになります。

早速ですが、2つのタイヤのタイムアタック映像と、ラップタイムを比較していきます。

コンチネンタル コンチスポーツコンタクト5の走行結果

ラップタイムは1分38秒687でした。

コーナーの進入から立ち上がりまで、常に甲高いタイヤのスキール音が鳴りっぱなしです。
急に横滑りしたりとかはしませんが、グリップの限界が低く、それ以上はステアリングを切ろうが、アクセルを入れようが、反応してくれないといった感じです。

ブリヂストン ポテンザ RE-71RSの走行結果

ラップタイムは1分32秒418でした。

純正タイヤに比べると、約6.2秒短縮しました。
パーセンテージにすると、約6.3%短縮したことになります。

純正タイヤに比べると、コーナリング中のタイヤのスキール音が小さくくぐもった感じになっています。
動画では伝わらないですが、ステアリングを切った時のフィードバックが圧倒的に重いです。
コーナーによっては、電動パワーステアリングが負けて、一瞬「重ステ」(パワーステアリングがないクルマ)に感じるほどです。

GPSロガーでの比較

映像だけではどこでどれだけ差がついているのか分かりにくいので、GPSロガーの走行ログを比較してみます。

GPSロガーは、デジスパイスを用いています。

デジスパイスで計測した速度グラフの結果がこちらになります。

赤:ブリヂストン ポテンザ RE-71RS ラップタイム1分32秒418
青:コンチネンタル コンチスポーツ コンタクト5 ラップタイム1分38秒687

総じてRE-71RSの方がコーナーのボトムスピードが高くなっており、グリップ力の差がよくわかります。
1コーナーで約11km/hの差があります。
黒のグラフ線はラップタイムの差を表しているのですが、特にコーナーが連続している中間セクターにおいて、ラップタイム差がどんどん広がっていることが分かります。

よく見ると、最終のヘアピンコーナーはRE-71RSの方がボトムスピードが落ちていますが、これは単にドライビングの失敗です(汗)

耐久性のチェック

ここまでハイグリップスポーツタイヤのラップタイム短縮効果について見てきましたが、サーキット走行においては耐久性の面でも差異が見られました。

走行後のフロントタイヤ表面の状態を比較してみます。

コンチネンタル コンチスポーツコンタクト5の走行後写真

タイヤの外側の角のトレッドが剥がれてしまっています。
この現象ですが、実はLSD装着前の走行ではほとんど目立ちませんでした。
LSDにより、コーナー立ち上がりでアクセルを開けた時に、駆動がしっかりタイヤに伝わるようになりますが、その時の強力な駆動力にタイヤが耐えきれていないと思われます。
一応スポーツ走行も想定したラインナップなのでしょうが、本格的にサーキット走行を行うには耐久性の面からも役不足な感じです。

ブリヂストン ポテンザ RE-71RSの走行後写真

一方、ハイグリップスポーツタイヤでは、純正に比べると10km/h高い速度でコーナリングしているにもかかわらず、純正タイヤのようなトレッドの剥がれなどは全く発生していません。
グリップ力の向上だけでなく、サーキット走行の過酷な条件におけるタイヤ自体の耐久性がしっかり確保されていることがわかります。

まとめ

純正タイヤとハイグリップスポーツタイヤで、サーキット走行のラップタイムにどれだけ違いが出るのか、実際に走行して比較検証を行いました。

検証結果

純正タイヤからハイグリップスポーツタイヤに履き替えるだけで、ラップタイムは6.3%短縮できる
※スイフトスポーツ(ZC33S)、RE-71RS、セントラルサーキットでの結果。

多くの記事がタイヤの特性や走行感について述べていますが、実際にサーキットのラップタイムでその違いを数値化した比較事例は非常に少ないと思います。
また、ラップタイムだけでなく、耐久性の面からも、ハイグリップスポーツタイヤはサーキット走行に適していることがお分かりいただけたと思います。
皆さんのサーキット走行でのタイヤ選びの参考になれば幸いです。

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